てんかんの相談&治療
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抗癲癇薬の副作用チェック

抗てんかん薬の副作用チェック

 発作を止める薬は、長い期間にわたっておのみいただくことがほとんどです。
この薬は、毎日のむ薬ですから、3ヶ月に一度は、副作用の有無をチェックするために、血液と尿の検査を行う必要があると、私どもは考えております。
検査項目としては、造血機能、肝機能、腎機能、免疫機能、甲状腺機能など、徹底的に行っています。

この副作用チェックのための検査を定期的に受けない患者さんについては、誠に申し訳ありませんが、水戸クリニックでは、治療をご遠慮申し上げています。

責任を持って治療することができなくなるからです。

★血液検査のデータの見方★

データの基準範囲とはどのようにして決められたの?
  まず、健康な成人数千人を集め、いろいろな項目の数値をしらべます。そしてそれぞれの項目の数値につき、95%の人が分布する範囲を、上限と下限で区切ります。この上下で区切った範囲のことを基準範囲とします。
  つまり、基準範囲とは「大勢の人がこのくらいの数値だよ」という目安でして、健康な人たちでも、5%の人(20人中1人)は、基準からはみでます。それはその人たちの個性なわけです。
  したがって、基準から少しはみ出たからといって、すなわち「異常」というわけではありません。はみでた時の結果を解釈し、病的かどうかを判断するために医師がいるわけです。
 

以前のデータと比べてみましょう
  基準範囲をはみでると、用紙に「:」「H」「L」といったマークがつきます。しかし、このマークの有無で一喜一憂するのでなく、「今回は、今までの数値と比べてどうかな」と過去のご自身のデータと見比べるとよいでしょう。

それでは、それぞれの項目につきざっくりご説明します。
(当院で使われている)報告用紙の印字の順番に書きました。

◆白い紙(血算):基準からはみ出ると、高い時に「H」、低い時に「L」がつきます。
WBC(白血球) 
  体に病原体が入った時にやっつけてくれる細胞です。薬で減ったり増えたりすることがあります。
RBC(赤血球)HGB、HCT、MCV、MCH、MCHC
  RBC(赤血球)は、体に酸素を運ぶ細胞です。薬で減って貧血になることがあります。HGB、HCT、MCV、MCH、MCHCも、赤血球関連の指標です。
PLT(血小板)
  出血した部分で、血液を固めて止血してくれる細胞です。薬で減ることがあります。

◆赤い紙(白血球分類):基準からはみ出ると、「:」がつきます。
  白血球のうち、どの種類が何%を占めるかわかります。白血球が増減したときに、どの種類が何%か分かると、対処の参考になります。
◆緑の紙(生化学) :基準からはみ出ると、「:」がつきます
総蛋白
  肝機能と、栄養状態を知ることができます。
GOT、GPT、LDH、γ-GTP、ALP、ビリルビン
  これらは、肝臓に関する項目です。肝機能が低下すると、数値が上昇してきます。肝臓は、薬の代謝・分解にかかわる臓器ですが、1項目だけでは状態判断できないため、複数調べます。
※γ-GTPは、お薬を継続的にのんでいると、どうしても多少は上昇します。その患者さんの今までの数値にもよりますが、γ-GTPは基準の2〜3倍程度の上昇は容認することが多いです。
※ALPは、肝臓由来のALPほか、骨由来のALPも存在します。小児の場合、骨の成長に伴って骨由来のALPが加わり、全体のALPが非常に高くなります。これは正常な現象ですので、お子さんのALPが1000を超えていてもびっくりしないでくださいね。
尿素窒素、クレアチニン
  これらは、腎臓に関する項目です。腎機能が低下すると、数値が上昇してきます。腎臓も、薬の代謝にかかわる臓器です。
カルシウム
  電解質の一つです。薬により減ることがあるので調べます。
アミラーゼ
  膵臓に関する項目です。デパケンをのむ人で上昇することがあるので、調べます。
アンモニア
  これも、肝臓に関する項目のひとつです。デパケン、アレビアチンをのむ人で上昇することがあるので、調べます。アンモニアは150m/dlくらいまでの上昇は一般に症状はありません。 100〜120程度であれば、他の要因で上昇している可能性もあり、様子をみます。便秘や、運動などでも上昇するので、1回の上昇で薬を変更することはせず、再検査を行うようにしています。
◆紫の紙(特殊検査) :基準からはみ出ると、「:」がつきます
IgG、IgA
  白血球の働きを助ける、免疫物質です。IgGは血液中に、IgAは主に粘膜に存在しています。薬により減ることがあります。
FT4、TSH
  甲状腺関係の項目です。甲状腺は首の前方にある臓器で、体温を高めたり心拍数を上げたりする甲状腺ホルモンをだします。FT4は甲状腺ホルモンの一種。TSHは「甲状腺ホルモンを出させる」ホルモンで、脳から出ています。薬をのむと甲状腺機能が低下する(FT4が低下し、TSHが上昇する)ことがあります。
血中濃度
  それぞれの薬の血液中の濃度です。薬の商品名でなく、成分の名前で表示されています。基準範囲はあくまで目安です。基準範囲より低くても、効くことはよくあります。
成分名は下の通りです。
商品名:フェノバール→成分名:フェノバルビタール
商品名:アレビアチン、ヒダントール→成分名:フェニトイン
商品名:テグレトール、レキシン→成分名:カルバマゼピン
商品名:デパケンR、セレニカR→成分名:バルプロ酸ナトリウム
商品名:ベンザリン→成分名:ニトラゼパム
商品名:リボトリール、ランドセン→成分名:クロナゼパム
商品名:エピレオプチマル→成分名:エトサクシミド
商品名:エクセグラン→成分名:ゾニサミド
商品名:マイスタン→成分名:クロバザム、デスメチルクロバザム(=マイスタンの代謝産物)
商品名:ガバペン→成分名:ガバペンチン
商品名:ラミクタール→成分名:ラモトリギン
商品名:イーケプラ→成分名:レベチラセタム
商品名:トピナ→成分名:トピラマート
◆その他
  初めて来院された患者さんは、血糖値、電解質(ナトリウム、クロール、マグネシウム)も追加して調べます(緑の紙に印字)。これらの数値の異常によりけいれんを起こすケースがあるからです。
  そのほか、健康診断で総コレステロールや中性脂肪、尿酸値などの上昇がみつかった方は、追加して一緒に調べることがあります(緑の紙に印字)。

 

 

★原則として、茨城県にお住まいの、てんかん 患者さんの診療に従事しています。
茨城県以外の方は、できればそれぞれの地元の 病院 に受診なさることをおすすめします。
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