てんかん と妊娠・出産
女性の患者さんに、妊娠について知っておいてほしいこと
・計画的な妊娠がお勧めです。あらかじめ胎児に影響の少ない薬へ変更を行うか、もしくは慎重に薬の減量を行い、その後しばらく発作がないことを確認のうえで、妊娠に入るのが理想的です。
・予想外のときに授かった場合は、慌てないで同じ薬を続けます。慌てて薬を中断して、妊娠中に大きな発作を起こすほうが危ないからです。妊娠中に発作をおこすと、転倒の危険がありますし、発作中は母体の酸素が低下し赤ちゃんも酸素不足になります。早産の危険も高まります。
・薬を飲むと、どれくらいの奇形児障害児のリスクがあるのでしょうか。一般に、薬を何も服用していないお母さんが奇形児障害児を産む確率は3%と言われています。一方、てんかんの薬を飲んでいるお母さんの場合は4~9%と言われています。つまり、薬を飲んだ状態で妊娠しても9割がたは元気なお子さんが生まれるのです。この数字をどう考えるか、妊娠前に、ご夫婦でしっかり話し合う必要があります。
・胎児の背骨の奇形を防ぐため、妊活中から、葉酸というビタミンを服用するのがよいでしょう。葉酸はドラッグストアで購入できます。
・薬以外のリスクを最大限避けることも大切です。風疹の予防接種を受けておくこと、禁煙すること、アルコールを控えることが大切です。